オレンジ・ドロップ
もう嫌だよ
何も言えない代わりに涙が零れた
こんな形でクラスの人に知られた事も
何もかもが嫌になった
『あれ? マキは?』
『さぁ。さっきまでそこに居たけど? ほっとけば』
電話の向こうの声
『じゃ、最後に一つだけ。サヤは槙村と付き合う気でいるの?』
「ううん。」
『好きな人とかいるの?』
言えない
「いないけど……」
『それじゃ、マキが可哀想じゃん』
「……」
また振り出しに戻されるの……か?