オレンジ・ドロップ
そして二人は
緊張も段々と緩み学校にも慣れてきた
―― 月曜日の朝
ガバッ
時計を見て慌てて飛び起きる
ひゃ~~!!
寝坊~~~~
朝食もソコソコに済ませ
バタバタバタバタ……
「行ってきま~す!!」
「かなりギリギリなんじゃないの? 車に気をつけるのよ」
「はーい」
風で捲リあがるスカートを片手で抑えつつ、もう片方の手でしっかりハンドルを握る
間に合うかなぁ……?
唯それだけを考え自転車を走らせる
いつもなら裏道を走るのだけれど、今日は車通りの多い道を走ってる
いつも曲がる所で車が途切れなかったから、そのまま突き進んでいた
そして、もうすぐ国道に出る少し前のところまで来た頃に
声が飛んできた
「佐山さ~ん」
えっ!?
声のした方に顔を上げる