オレンジ・ドロップ

 「やっぱり大丈夫じゃなかったじゃん。こんな海の真ん中で停まっちゃってどうすんの?」

 有希先輩


 「……う~ん。海草でも詰まったかな? 誰かエンジン見てくれないか? オレは操縦席から離れられないから」


 「いいよ。その代わり高くつきますよ~♪」


 なんて冗談を言いながら先輩は船の後ろ側に跨る


 「気を付けるんだぞ!」


 「はぁい」

 しっかり、棒にまりながらエンジンを詮索する有希先輩


 「ワカメが見えるよ~」


 「取れそうか~?」


 「うーん……長い棒みたいなのないですか~?」


 「たしか、床下にあるはずだ。悪いスミレちゃん、ちょっと見てくれるか?」


 「はぁい。」

   ガサゴソガサゴソ……


「ありました~」

 棒を持ってスミレ先輩も船の後ろに跨る

 有希先輩が棒でエンジンを突付き、スミレ先輩が支える



 かれこれ30分はワカメと格闘する先輩達


 「取れました~」


 エンジンの音も元に戻る

 「お~、サンキュウな! よし再開するぞ。お前らも上がれ~」


 「私たち、ここでいいです~」


 二人は船の後ろで、しっかり棒を握りしめていた


 「落ちたって助けられねーぞ!」


 「はぁい♪」


 楽しそうな二人の先輩


 トラブルはあったけど、それから40分くらい潮風を満喫出来た




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