美男 と 珍獣
やばいかも…
―――裕太side―――
転入初日の全ての日程が終わった。
俺は今、迎えの車を待っている。
なぜ俺に送迎があるかというと
俺の父は結構大きな会社の社長で
俺を一人息子として大切に育ててきた。
そんな両親は少し…いや、かなり過保護で
誘拐されないようにと
俺が小学校に上がると同時に
世界一セキュリティが固いイタリアの学校に俺を入れた。
いわゆるお金持ち学校というやつで
世界中の過保護な金持ちたちが自分の子供をそこに入れた。
そんな境遇で悠々自適に育ってきたやつらは
皆性格のひんまがったやつらばっかりで
自慢話ばっかしていた。
俺は自慢話とかそういった類いの話があまり好きではなかったから
友達という友達もいなかった。
が
そんなところに何年間もいると
感覚が麻痺してくるもので
俺はいっちょまえな世間知らずに成長した。