美男 と 珍獣
「んだよー!
そういうことなら
早く言えよな!
私が道案内してやるよ!」


いや、いいです


と、答えようとしたが

そのあとの彼女のニカッと
笑った顔を見ると
なんていうか…


もっと彼女と一緒にいたいと思った。


「………じゃあ、よろしくお願いします」


「お前ん家の近くなんか目印みてーな建物あるか?」


本屋があったよな。
名前は…高田書店…だったけ?


「高田書店という小さな本屋があったと思います」

うろ覚えだったから
とりあえず笑顔でごまかしておこう。


「んー!あっこか!
結構遠いじゃねーか!
私に会っといてよかったな」


よかった、名前あってたみたいだ。

あ、迎えの車…どうしよう。
電話かけて引き返すようにいうか。


電話をかけにいく、と一言断って
家の者に今日は迎えはいいことを
伝えた。
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