執事の秘蜜
執事と朝



白い霧の中に佇む男
その男には靄がかかっていて
顔がはっきり分からない


「雫(シズク)」



男はそっと名を呼ぶ


この人は誰?
私の名を呼んでいる


コツッ コツッと近付く足音に
胸が激しく脈を打つ
だんだんと顔がはっきりしてきて
靄がもう少しで消えるというところで……







「お嬢様?朝ですよ?」






夢から覚めた
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