私の唇はキス魔に持って行かれました

「ねぇ、霧夜。してないよね?だって、霧夜は私のモノでしょ?」


私を睨んでいた龍宮さんが、私と霧夜くんの間に入り込み霧夜くんに問いただしている

しかも、極上の甘声で…


「さっき言ったこと、もう忘れたの?」


くっ付く龍宮さんをベリベリ剥がして、霧夜くんが言った


「俺が好きなのは奈乃だ…って言っただろ?」

「っ…?!!」


サラリと霧夜くんが口にした言葉でクラスメイトがざわめいた


「好きなんだから…するでしょ?」


そして、更にクラスメイトがざわめいた
むしろ、もう悲鳴に近いよね…


「なんでよっ!婚約者の私が居るのに!」

「もう、とっくの昔に解消してるんだ。いつまでも"婚約者"で縛れると思うな」


諦めない龍宮さんにピシャリといい放つ
クラスメイトは事の成り行きを興味津々で見ている

私も二人の緊張感に当てられ動けない

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