私の唇はキス魔に持って行かれました

「っで?結局二人はどーなったの?」
「聞いたよ?劇終了後、二人でとんずらしたんでしょ?!」


龍宮さんが出て行くと、不意に聞き慣れた声が聞こえた

振り向くとそこにはニヤニヤしている某カップル
……矢野くんと未緒だった


「さっきまで居なかったのに…いつ湧いて出てきた?」


凄く嫌そうな顔で霧夜くんは言った


「湧いて出るだなんて、虫みたいな扱いしないでよね!チャンスを上げたのは誰だと思ってんの?」


霧夜くんの言葉に答えたのは未緒だった

チャンス?なんの話だろう?
私には二人の会話が理解出来ない


「ぅ…」

「"ありがとう"は?」

「…ありがとう。全部、山内のおかげです!」

「ふふん、よろしい」


意味が分からないけど…
未緒は凄く満足げな顔をしていた

それとは、対照的に…
霧夜くんは随分と悔しそうな顔をしていた


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