私の唇はキス魔に持って行かれました
クラスの皆が校庭に移動を始める
すると、霧夜くんが手を差し出してきた
「行く?」
「うんっ」
私はその手を握り返事をする
繋がれた指は自然と絡む
恋人繋ぎ
初めてこの繋ぎ方をした時
まさか"この人"と本当の恋人になるなんて思いもしなかった
初めて唇を奪われた時
まさか"この人"を好きになるなんて思いもしなかった
4月のあの日…
私のファーストキスを奪ったキス魔は
私の王子様になった
"ファーストキスは好きな人と…"
私のその願いは最終的には叶う結果となった
霧夜くんの努力の結果か
それとも、運命だったのか
それは恋の神様だけが知っている
どちらにせよ
どうか、ずっとこの繋がれた手が離れませんように…
END