私の唇はキス魔に持って行かれました

チェックポイントを通りながら登って行く山道

私はゼハゼハしながら前を行く3人を追う

でも、縮まらないその差
原因は私の足の長さ

男子3人は皆さん長身
それに対して私はチビ…

足のコンパスの違いを思い知る


「大丈夫?古山さん」


優しい佐藤くんが止まってくれる
でも、足手まといにはなりたくない私は大丈夫と答えた

本当はキツい…
死んでしまう…

お弁当と水筒が入った荷物が重いよ…

投げ捨てたい…
投げ捨てたいけど、捨てたらご飯が…水分が…


「あ…ぇ?」


1人苦しんでいると急に軽くなる体
…なんで?

その、疑問はすぐに解決する
いつの間にか私の前にやって来た小藤霧夜くんが、私のリュックを持っていた

荷物が無くなった分、軽くなったんだ

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