私の唇はキス魔に持って行かれました
連絡がとれないと分かると急に不安になる
目頭が熱くなり目が潤む
おとぎ話とかでは、こうゆうピンチの時には王子さまが現れて助けてくれるのに
「助けて…王子様…」
心細さから訳の分からないことまで口に出す
そんな都合よく王子様なんて来ない
大体、王子様なんて居ないよ…
「…悪いな。王子様じゃなくて」
「?!」
頭上から声がした
びっくりして見上げると…
「小藤霧夜くん…?」
「いい加減フルネームで呼ぶの止めろよ。奈乃」
私が落ちた場所に不機嫌な小藤霧夜くんが覗いていた