私の唇はキス魔に持って行かれました
「…助けて。小藤霧夜くん」
「俺のことを下の名前で呼んでくれるなら」
なんでよ…
でも、言わないと助けてくれない…
男の子を下の名前で呼んだことないから妙に緊張する
「助けて…霧夜くん」
「本当は"くん"も要らないんだけど…まぁ、いっか」
そう言うと霧夜くんが私の位置まで降りてきた
「霧夜くんまで降りてどうすんの?!」
引き上げて貰えないじゃん
「これくらい登れる。俺、チビじゃねーもん」
「…どーせチビですよ」
頬を膨らませムスッとすると、霧夜くんが小さく笑った
「ガキみたいに膨れんなよ。早く戻るぞ。山内が心配してた」
そう言うと、霧夜くんは私を抱き上げた