私の唇はキス魔に持って行かれました
「…ってゆうか、俺、キス魔じゃないし」
「嘘は泥棒の始まりだよ」
私のファーストキスを奪ったくせに
どの口がそんなことを言うんだ
まったく…
「まぁ、いいや。ん、乗れ」
溜め息混じりで霧夜くんが私に背を向けて座った
え、これって…?
「…おんぶ?」
「何?抱っこがいいの?」
いや、そんなこと言いたいんじゃない
なんでおんぶ?
いや、抱っこがいいって意味じゃないよ?
だって、おんぶも抱っこもすごい密着するんだよ?
今まで男の子免疫0で生きてきたのに…無理だよ
「あの…自分で…」
「歩ける訳ないだろ。早くしろ。じゃないとキスするぞ?もちろん口に濃厚なやつ」
…私はおとなしくおんぶされる道を選んだ