私の唇はキス魔に持って行かれました

「…どーしてもデートするの?」

「お礼でしょ?」

「…うっ、分かったよ」


"お礼"と言われると断れない
助けてくれたのは事実だし…


「デートって、どこ行くの?」

「秘密」


秘密、怖いっ!

どこ行くのか分からないまま霧夜くんに引かれて電車に乗り込んだ


「…あの、手…」


乗り込んだのはいいんだけど、なんで手を離してくれないの!?


「手が何?」

「離してよ…なんか、恥ずかしい」


ぎゅっと握られた手は、なんと指を絡めた恋人繋ぎ
男の子免疫皆無なのに、恥ずかしくて火が出そうだよ

でも、霧夜くんの返事は…


「離さない。奈乃、逃げるもん」


逃げないよ…
逃げれないよ…
電車の中だもん…

うぅ、繋がれた手が熱いよ…

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