私の唇はキス魔に持って行かれました
後、数センチに唇が迫った時だった
私の口が誰かの手によって覆われた
まるで、私の唇を守るように優しく
そして、私の腕を掴んでいたお兄さんの手を振りほどかせ、私をお兄さん達から解放してくれた
驚いて救ってくれた人を見ると…
「触んな」
霧夜くんだった
「はぁ?誰だよお前。横取りすんなよ」
金髪のお兄さんが霧夜くんに食って掛かる
「横取り?何言ってんの?…コレは俺のなんだよ」
っと言って霧夜くんの指が私の唇に触れる
触れたと思ったら今度は…
ちゅっ…
指の次に私の唇に一瞬触れたのは…
霧夜くんの唇
しかも、ご丁寧にリップ音付き
驚き過ぎて言葉も出ない
また、奪われた…
私の唇…
でも…なぜだろう?
不思議と不快感はない
不快どころか胸の奥がきゅっと甘く痛む
いったいこれは…何?