私の唇はキス魔に持って行かれました

「ドキドキ、ふわふわ、キュンキュン…ね?」

「………うん」

「それが何を意味してるか…本当に分からないの?」

「…………うん」


ウソ…本当は気づいてる

なんとなく気づき始めた気持ち
でも、初めて抱くこの気持ちをうまく処理出来なくて、自分を誤魔化してた

キス魔な彼を好きになるなんてあり得ない
そう、思ってた…


「好きになるの…怖い」


そう、私は怖いんだ
フラれるのが
拒絶されるのが


「そんなの怖がってたら…彼氏なんて出来ないし、そんなことしてる間に…違う女に取られちゃうよ?」

「ぅ…」

「ってことで、さっさと告んなさい」

「む、無理だよー?!」

「無理じゃない!焦れったいんじゃボケっ!」


怖いっ!
未緒怖いっ!!

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