私の唇はキス魔に持って行かれました
婚約者って結婚を約束した人ってことだよね?
霧夜くんと龍宮さんはそんな関係…
もう、それ以上のことは考えられなかった
泣いてしまいそうだから…
昼休み時間になってすぐに霧夜くんが席を立って、私の方へと向かって来た
でも、霧夜くんが私の元にたどり着くことは無かった
「霧夜ぁ!一緒にごはん食べよ?」
霧夜くんの後ろから龍宮さんが抱き付いて、霧夜くんの歩みを止めた
私はその隙に逃げた
何を話せばいいのか分かんないし
なにより、龍宮さんと霧夜くんのツーショットを見たくなかった
「奈乃っ…」
霧夜くんが私の名前を呼んだ
でも、私は止まらなかった