私の唇はキス魔に持って行かれました
奈乃…どーしてるかな…
きっと、"婚約者"って言葉を信じただろうなぁ
せっかく奈乃の気持ちが俺に向き掛けてたのに…
あと、少しだったのに…
ボーッと奈乃のことを考えていると、胸に衝撃を感じて後ろに倒れた
「いっ…て」
「私と居るのに…何を考えてるの?私を見てよ、霧夜!」
倒れた俺の上に龍宮が乗る
…第三者から見たら危ない光景だな
「好きよ、霧夜。大好きよ…」
「っ!!?」
俺の上に乗ったままの龍宮が唇を合わせて来た
唇が合わさったと思ったら生暖かいモノが口内に侵入してきた
気持ち悪い…
吐き気がする…
俺は強引に龍宮を引き離す
「前より…上手くなったでしょ?」
うっとり、どや顔の龍宮を睨む
「二度とするな。俺はキス嫌いだ」
そう言って、俺は龍宮を一人残して屋上を出た