私の唇はキス魔に持って行かれました
「……私、あの子嫌い」
霧夜くん達と距離を開けた所で未緒が言った
しかも、本当に嫌そうな顔をして
せっかくの美貌が台無しになってるよ?
「小藤くんもあんなのが婚約者なんて可哀想だよ。あぁ、もしかして性悪なのに気づいて無いとか?男って馬鹿な生き物よね…ふん、外見に引っ掛かって後で後悔するといいわ」
今度は魔女のような恐ろしい顔をした
未緒…魔女役の方がハマり役だったのでは?
「奈乃は…いいの?このままで」
「良くないよ…でも、全然近づけないんだもん」
霧夜くんの半径3m以内に近づこうものなら容赦なく龍宮さんの妨害を受ける
でも、それは私に対してだけ…
未緒は普通に霧夜くんに接触出来るしね
まぁ、龍宮さんの監視付きだけど…
「なんで私だけ…?」
「龍宮さんが危険視してるからでしょ?奈乃、小藤くんにキスされてるし」
「霧夜くんにキスされたのは私だけじゃないでしょ?霧夜くんキス魔だし」