私の唇はキス魔に持って行かれました
「だから、私も彗も驚いたわよ。奈乃のファーストキス消失事件には」
あぁ、そう言えば二人して変な反応してたね
未緒はともかく矢野くんも笑いを堪えてた
「散々、キスなんて気持ち悪いだとか、あり得ないとか、言ってたのに…奈乃の唇を奪ったって聞いて、それこそ嘘かと思ったわよ」
え…そうなの?
じゃ、ますます分かんないよ
「じゃ、なんで…?」
キス魔じゃない
むしろ、嫌いなら…なんで?
「そんなの…気持ちがなきゃ出来ないって」
「え…?」
私の反応にため息を吐いて未緒が言った
「好きなんでしょ?奈乃のことが」
「?!」
「毛嫌いしてたキスをしちゃうほど」
「?!!」
霧夜くんが…
私を…
好き…?