私の唇はキス魔に持って行かれました
「未緒の彼氏さんはあんなに誠実な人なのに…その友達がキス魔って…信じらんない」
私は疑いの目で小藤霧夜くんを見る
そんな私の様子に未緒が吹き出した
そして、爆笑…
「イメージ最悪じゃん、ウケるんですけどー!!自業自得ー!!面白ーい!!」
何がそんなに面白いのかな?
今日の未緒は、なんだかおかしいです
「おまえ、笑いすぎ」
「だって、だって…面白いんだもんっ!」
二人の掛け合い理解不能です
私、一人で首を傾げていると背後から声が掛けられる
「朝から楽しそうだね?」
振り返るとそこには見慣れた男子生徒
去年も同じクラスだった
矢野彗(ヤノ スイ)くんが居た
矢野くんは未緒の彼氏さん
だから、顔見知りです
彼女の未緒に優しいのは当たり前だけど、未緒の友達である私にも優しくしてくれるイイ人
こんなイイ人の友達が、キス魔の小藤霧夜くんだなんて
…嘘であってほしい