私の唇はキス魔に持って行かれました

そして、時間は過ぎて後半組の番です

更衣室に行くと龍宮さんが着替えていた


「あ、古山さん!白雪姫頑張ってね!前半組は大盛況だったよ?」

「あ、うん、みたいだね」


怖い位の笑顔が私に向けられている
その笑顔が勝ち誇った笑顔に変わる


「人前でキスするのって恥ずかしいねー…霧夜ったらキスにマジになっちゃって、声出ちゃいそうで大変だったわー」

「…そう」


なんだ…
やっぱりキスしたんだ

嫌いなのに出来るのは気持ちがあるから…なんだよね?
私だけが特別な訳じゃないんだ…


「じゃぁね?これから私は霧夜と文化祭回るの。頑張ってね」


いらない報告を残して龍宮さんは更衣室を出ていった


「…頑張ろう…」


気分はブルー
それでも、公演時間は差し迫る

着替えを済ませて
気分を切り替えて

頑張ろう


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