私の唇はキス魔に持って行かれました
「"あー白雪姫…あんなにいい子だったのに"」
小人役の一人が眠る私の傍らで嘆き悲しむ演技をする
「"これは…なんてゆうことだ!"」
そこに現れたのは王子姿の未緒
残念ながら目を閉じてる私にはその姿は見えない
「"探し求めていた君がこんなことに…"」
未緒王子の気配が私の傍らに近づく
「"あぁ、美しい愛しき人…最後にお別れをさせてくれ"」
未緒の手が私の頬に触れる
そして、衣擦れ音がして…ほっぺに柔らかい感触がした
これが目を覚ます合図
「"あら…?私は一体…"」
そう言って目を開けると
目の前にはカッコいい未緒王子様が…
「"奇跡だー!"」
「"よかった、白雪姫!"」
小人達が喜ぶ歓声の中
未緒が私を抱き上げて抱き締める
そして、ナレーション…
「"王子の愛の口付けによって目覚めた白雪姫は、その後、王子様と末長く幸せに暮らしました…おわり"」
そして、未緒と抱き合ったまま幕が降りていった