私の唇はキス魔に持って行かれました
「なんだー…山内さんもほっぺなのー?」
幕が降りて現れたのは劇監督の子
「リアルが足りない。ガチが足らない。…ねぇ、次の最終公演口にしてよー」
何を言ってるの?
「霧夜くん達は…口にしたんでしょ?」
そう言ってたよ?
龍宮さんが勝ち誇った顔で
「え?あぁ、お願いしたけど断られた。小藤くんに」
え?
じゃ、さっきのは龍宮さんの嘘?
「龍宮さんとしたくないって言われた。婚約者って話なのに…ショックだよー」
その後も、私と未緒に口でのキスを要求してきた
でも、私が渋るとどうやら諦めたらしく…
「うぅ…わかった…仕方がないもんね」
そう言って、残念そうに監督席に戻って行った