私の唇はキス魔に持って行かれました

「ダメ。絶対ダメっ!」


俺が快諾したのに龍宮がそれを許さなかった
俺の腕を掴んで離さない


「文化祭は皆で協力して作るものだろ。わがままも程々にしろ」


ここで俺が行かなかったら、きっと違うヤツが王子をやることになる

山内ならまだしも、他の男が奈乃に触れるなんて考えたくもない

だから、ここはなんとしてでも俺が行かなきゃいけない


「離して」

「やだ。霧夜は私のモノだよ。あんな不細工な女なんかに渡さない。私の方が断然可愛いもん。霧夜に相応しいのは私だもん!」


何が俺に相応しいんだよ
どこが可愛いいんだよ


「俺には、お前より奈乃の方が可愛く見えるんだよ」

「なっ…?!」


俺を飾りモノとして見てるお前なんかじゃ、奈乃には敵わないよ



「俺が好きなのは…奈乃だ。お前じゃない」



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