私の唇はキス魔に持って行かれました

「"探し求めていた君がこんなことに…"」


私の眠る台の隣で足音が止まる

な、なんで?!
頭の中は大パニック

でも、白雪姫は眠ってるので動けない


「"あぁ、美しい愛しき人…最後にお別れをさせてくれ"」


そっと触れるその手は、凄く柔らかく優しい手だった
そして、衣擦れ音がして気配が私にグッと近づいた

鼻をかすめるのは、霧夜くんの甘い匂い


そして…



「…好きだよ、奈乃…」



本当に微かな声で霧夜くんが紡いだ言葉
その意味を理解する前に…


霧夜くんの唇が私のソレに重なった



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