片想いだったね
卒業式の曲を練習して部活が終わり、学校を出る。私達の学校は冬は自転車が禁止されていてバスで帰る。
まっすは内山の部活が終わるのを待つみたいで私はバス停まで一人歩くことにした。
「寒っ。」
寒くて猫背になる。マフラー買わなきゃ。皆がしているあのチェックのマフラー、またお母さんにおねだりしようかなと考えながら急ぎ足でバス停に向かう。
冬の空は夕方なのに真っ暗。
学校からバス停の帰り道、車も混んでいてお店も沢山並んでいる歩道を歩く。
「美~紀~。」
後ろから聞き覚えのある声に振り向く。
「翼。」