片想いだったね
「今ね、卒業式の曲練習してるんだ。」
「来月だもんね~。俺ヤキ入れた三年とようやくおさらば~イェ~イ。」
「三年のね、沢先輩って人がいてね、その人凄い優しかったから寂しいんだ。」
「おぉ~。かず君の彼女だ~美人だよね~。」
「あ、そうそう。って知ってたんだ?」
「俺かず君昔から知ってるからね~。付き合って別れての忙しいカップルだよ~。でもかず君野球の強いところ行くから今回はどうかね~。」
「………うん。」
ここの信号を曲がると私の家が見えてくる。
「翼、もう着くから本当にここで良い。」
「どんだけ早く降りたいわけ~?どんだけ岬ッチラブ~?」
「関係無いって!もぉ~。」
アハハハハとゆっくり漕ぐ翼。傷だらけの顔見てお母さんに何て言われるかなぁ。怒られるかなぁ。
あ~ぁ、と今更になって乱闘したことにちょっと後悔。