片想いだったね


「美~紀~。」



久しぶりに語尾を伸ばしながら呼ばれる名前をまっすと帰る準備をしていた教室内でのこと。


「……私、先に帰ろうか?」


と、まっすが気まずそうに私に声をかける。


「……ごめん。夜に電話するから。」




まっすは私と翼にバイバイと声をかけて教室を出ていった。


教室内にはけっこう人が残っていて、なんだか久しぶりに話す翼との視線が気になってしまう。ただでさえ噂がまだ絶えないのに。


「翼~。まぁたクラス離れたなぁ。」

「しゅうちゃん引き悪すぎ~。あ、俺もか~。」


私に近づいてきた翼は、しゅうちゃんに声をかけられ、見た目的には三人でつるんでいるように見える。


「俺もA組が良いな~。」

「岬ッチいて良かったじゃん。あとは見事にC組に固まったよな。」



ピクッと顔をしゅうちゃんに向いてしまう。


会話にも出る岬ッチの名前にすら反応してしまうなんて、私本当に何してるんだろ。


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