片想いだったね


一人、また一人と人が減り、少しだけしか居ない教室。


残された私と翼。



「美紀~久しぶりじゃん?」

「……あぁ、うん。」



翼が私の席の前の人の席を座ってこっちを見て向かい合わせになって顔を見る。


また……眉毛細くなってる。

あれ、唇の横に傷がある。

あ、こんなところにホクロ…。



「ジロジロ見すぎ~!さすがに照れますけど~!!」


と、キャーと両手で顔を隠して可愛い仕草を見せていつもの翼で緊張していた雰囲気が柔らかくなる。


「景子とまた一緒なんだね…。」

「参っちゃうよね~。アイツ、センコーとかに頼み込んだんじゃね~の?小学校からずっと同じクラスよ?さすがにウンザリだし~。」

「ふふっ。」


「参っちゃうのはまだあるけどね。」

「……え?」






「岬ッチ別れたの聞いたでしょ~?」



ドキッとした胸の音は、チクンとさえ刺さったくらい大きく感じた。



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