片想いだったね
まっすと内山はクラスが離れていても仲が良く、あのカップルは仲が良いと同級生からは羨ましがられるくらいだ。
「喧嘩しないの?」
「逆にどうやって喧嘩になるの?」
私とまっすの疑問が違って、本当にラブラブなんだぁとビックリする。
翼の事を思うと胸が苦しい。
だけど私はまっすの親友で、内山との別れを進めるなんてことは絶対したくないし。まっすの悲しい顔も、翼の切ない顔を見ることはしたくない。
どうすることも出来ない想いを、
ノートの片隅に、ハートを三つ描いてため息。
ぐるぐる回る迷路のような道を、行き止まりばかりでもがいて苦しむ。戻って戻って、最初の道に何度戻ったのかな。
「美~紀~まっす~。」
付き合いを止めたと決めたあの日から、翼が顔を出すことを減っていったが、たまに顔を出しては一年の頃と同じように楽しく喋る。
翼の笑顔の裏の意味を知りながらも、私も翼も何一つ変わらずいつもと同じように接する。
「うっち~とチュウした?」
「なっ、やめてよっ!」
翼がエッチ~とまっすをからかう顔を、どうして今まで気づかなかったのかな。
翼、こんな切ない顔してたんだ…。