片想いだったね
都合良く三時間目の授業が自習になり、別の先生が教室に来て、渡されたプリントをいつもの授業より騒がしく問題を埋めていく。
席の移動が有りと認められたので、まっすの隣の席の子と交代してもらい一緒に問題を解いていく。
でも私は、
今は歴史の答えなんてどうでも良い。
「……ねぇ、まっす。」
「……ん~?」
「内山とキス…した?」
「えっ!?」
自習のほぼ自由で少しうるさい周りの声を差し置いて、かなり大きな声を出すまっす。
「下山~どうした?」
「いや、なんでもありません…。」
「お前らも少し声の音量落とせよ~。」
まっすが代わりの先生に注意されて、
私、
声を押し殺して一人爆笑。
「美紀のせいで恥かいたっ。」
と、少しムクれてまたプリントを進めていく。
「ねぇ~、教えてよ。」
手が完全に止まった私は、もう口しか動かない。