片想いだったね
「……なんで急に~。」
さっきよりも確実に音量を小さくして答えるまっす。
「さっき翼も聞いてたから。」
私の音量はそのまま。
「してないよ~。私内山君と二人きりで遊んだことなんて数える程度だし、一緒に帰るのも一週間に一回くらいだし、しかも私の家近いじゃん。」
付き合ってもう少しで一年のまっす達の裏の事情を聞いて、やっぱり少女漫画のようにいつでもキスするわけじゃないんだ。
ていうか、キスって、
唇と唇が重なるんでしょ?
「ヤバイヤバイヤバイっ!!!」
テンション上がってさっきのまっすの何倍も大きな声で叫んでしまった私。
教室内が静まり返ってさすがに注目の的になる。
先生すらポカーンとしてしまった。
「あ、スイマセン……。」
と、注意される前に自ら謝ってまっすどころか教室中からの笑いのネタになってしまった。