片想いだったね



暗くなった公園で、まっすと内山が仲良く線香花火。


翼の視線はいつもまっすを見つめていた。


チラチラ飛び散る火花を見てはしゃぐまっすに、わざとに翼がまっすの邪魔をして線香花火を落とす。


内山が笑いながら、持っていたまだ消えていない線香花火をまっすに渡す。



翼はその場から立ち去り、一人で花火に火をつけついた。




そんな光景がたまらなく切なくて、



思わず5本も6本も花火に火をつけて振り回しながら翼に近づき、笑わせる。


「危ないって~。」

「元気出しなってっ!!」

「何が~?あっつ!火の粉ついたし~!」



翼の笑い顔。


翼が元気無いと私も悲しい。


同じ切なさの共有を持つ仲間だもん。




そんな寂しそうな顔を見せないで…。




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