片想いだったね


帰りのHRが終わって部室に走る。


野球部はここの通路を通って、外にあるプレハブみたいな部室で着替えをする。着替えをしたら、直ぐに第二グラウンドで部活が始まる。


あまり力を入れていない吹奏楽部は、部活の終わりが早い。遅くまで活動している野球部を待って一緒に帰れなかったら流石に凹んでしまう。


声をかけるチャンスは正直あんまり無い。


部室の窓際に立ち、岬ッチが来るのを待つ。


部室には数人の部員達がいるが、皆もう野球部に好きな人がいるのを知っているので、いつもの光景と思われているのか何してるの?とも聞かれない。


それほど毎日見てた。


当たり前と思われるくらいいつも岬ッチを見ていた。


出来る出来る。大丈夫自分。


自分で心を落ち着かせて岬ッチが来るのを緊張して、冷たくなった手で待っていた。





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