片想いだったね


通路に、生徒や別の野球部員が通る度に、残念な気になったり安心したりで全く落ち着かない。


来ないなぁ。


掃除かなぁ。


頭悪いみたいだから補習とかしてるのかなぁ。


立つ足が落ち着かなくて、椅子を持ってきて座って待とうとした。


その時。







しゅうちゃんや他の野球部と一緒に歩いてくる岬ッチを見つけた。


窓から顔を出さなければ勿論声は届かない。


緊張して、強張った頬を擦りながら、よしっ!と腹をくくって近づいてくる距離を止まりそうな心臓で待っていた。


< 287 / 463 >

この作品をシェア

pagetop