片想いだったね
昼休み、自分の教室を出てトボトボ歩く。
廊下には友達や同級生で騒がしくて、声をかけられながら岬ッチの姿を探して歩く。
廊下と多目的ホールには居ない。
てことはD組の岬ッチのクラスにいるのかなと、恐る恐る教室を覗く。
………いた。
岬ッチの周りに、しゅうちゃんや他の男子が集まって楽しそうにしていた。
笑ってる。
大きな口を開けて笑ってるわけじゃないけど、口元が上に上がって大きな目を少し細ませて笑ってる。
あぁ、カッコイイ。
なんでこんなにカッコイイんだろうと、つい彼氏という立場を忘れて岬ッチをドアからこっそり見ていた。
見てるだけでも心臓が飛び出そうなのに、更に皆の前で話しかけるなんて拷問に近いよ。
そう思って後退りしているところで
「ゴホンっ!!」と、聞いたことがある声で咳払いされて、後ろを振り返る。