片想いだったね
「あの……その……。」
「いたのかよ~!岬ッチ知ってたんだろ?だから岬ッチ急に照れて黙っちゃって~!」
しゅうちゃん達が岬ッチをからかう。
しゅうちゃん違うよ、違うから。これ以上岬ッチに嫌な思いさせないで。
「んで高木どうした?」
「あの……。」
私の言葉は【あの】しか出てこない。
前の部室で誘った時だって、この言葉以外口から出てこなかった。しかも数分待たせて。
フラれるならもうフラれても良い。
もう後悔したくないよ。
なんとなくしゅうちゃんがいる安心感で、フラれても良いと勝手に腹をくくって岬ッチに声をかける。
「あの……ね?岬ッチ……。今日一緒に帰れる?」
やっぱり【あの】は抜けなかった。
しかも【ね】までのオマケ付き。