片想いだったね


「あの……その……。」


「いたのかよ~!岬ッチ知ってたんだろ?だから岬ッチ急に照れて黙っちゃって~!」


しゅうちゃん達が岬ッチをからかう。


しゅうちゃん違うよ、違うから。これ以上岬ッチに嫌な思いさせないで。



「んで高木どうした?」


「あの……。」



私の言葉は【あの】しか出てこない。


前の部室で誘った時だって、この言葉以外口から出てこなかった。しかも数分待たせて。


フラれるならもうフラれても良い。


もう後悔したくないよ。




なんとなくしゅうちゃんがいる安心感で、フラれても良いと勝手に腹をくくって岬ッチに声をかける。



「あの……ね?岬ッチ……。今日一緒に帰れる?」



やっぱり【あの】は抜けなかった。


しかも【ね】までのオマケ付き。


< 304 / 463 >

この作品をシェア

pagetop