片想いだったね
「美紀~!内山君、今日自主練しないみたいだから帰るね。岬ッチと頑張ってね。」
一度部室を出たまっすがもう一度部室に顔を出して、声をかけてくれる。
「うん。またね。」
部室の時計を見ると、時間は6時を回っていて外は真っ暗になっていた。
まだ終わらないんだなぁ。
ていうか帰ってきたことすらもわからないよ。
もう部室にいるのかな。
野球部の部室は通路を曲がった所にあるので、部室の窓からは確認出来ない。
ていうか、岬ッチが部室に迎えに来てくれるのかな?それとも窓から合図されるのかな?
その前に………、
本当に一緒に帰れるのかな?
サーっと血の気が引いて、急いでトロンボーンを片付けて鞄を持って部室を出た。
まず野球部の部室を確認しなきゃ…と、不安で玄関に向かって靴を履き替える。
「……………。」
なんとなく視線を感じて、その方向に顔を向ける。