片想いだったね


バス停に着く。

いつも乗るバス時間より、ほとんど人が居ない。



「………………。」

「………………。」



会話という会話はほとんどしていない。


つまらない子って思われても仕方ない。


でも最初だけだから、今日だけだから。



「……また一緒に帰ろうね。」

「……………うん。」



小さな約束を、初めてする二人の小さな小さな約束を、小さな小さな笑顔で交わす。



「バイバイ……。」

「……バイバイ。」






二回目のバイバイ。


今度は岬ッチの目を見て言ったよ。



岬ッチも、


私の目を見て言ってくれたね。




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