片想いだったね
翌日一緒に帰ろうと、まだ慣れない四回目の誘いを無事に受け入れてもらい岬ッチを部室で待つ。
一番最初の下校以外部活は滅多に長引かず、窓から小さな小石を窓にぶつけられ、その合図で急いで玄関に向かう。
その時の早足で歩く廊下は、嬉しくて仕方ない。
自然と笑顔が零れ、抑えきれない。
玄関には私と同時くらいに鉢合わせして、笑っている顔をバレないように必死に表情を隠して靴を履く。
いつも岬ッチは、
「待った?」
と、聞いてくれて、
「大丈夫だよ。」
と、私が答える。
その後はほとんど会話をしないけど、最初のそのやりとりが嬉しくてまた笑顔が零れる。
並んで歩けるようになった。
肩を並べて歩くこの時間が毎回思うよ。
もっともっと一緒にいれたら良いのに。