片想いだったね
少し離れたバス停に着いて、自然と離れる手。
繋いでいた手がスースーして気持ち寂しい。
「ありがとう。」
「うん。」
「私ね、ずっと岬ッチ好きだったよ。」
「…………うん。」
自然と言えた好きの言葉。
一生言えないと思っていたけど、どうしても伝えたくて、溢れたみたいに零れた言葉。
バスは直ぐにバス停に停まり、岬ッチに見送られながらバスに乗り込み、窓から手を振った。
岬ッチも手を振っていた。
優しい笑顔、私だけに見せた笑った顔。
クリスマス.イヴ。
今までで最高のクリスマス。どんなプレゼントよりも、岬ッチと一緒にいる時間の幸せには敵わないよ。