片想いだったね


少し離れたバス停に着いて、自然と離れる手。


繋いでいた手がスースーして気持ち寂しい。



「ありがとう。」

「うん。」









「私ね、ずっと岬ッチ好きだったよ。」












「…………うん。」






自然と言えた好きの言葉。


一生言えないと思っていたけど、どうしても伝えたくて、溢れたみたいに零れた言葉。




バスは直ぐにバス停に停まり、岬ッチに見送られながらバスに乗り込み、窓から手を振った。




岬ッチも手を振っていた。




優しい笑顔、私だけに見せた笑った顔。









クリスマス.イヴ。


今までで最高のクリスマス。どんなプレゼントよりも、岬ッチと一緒にいる時間の幸せには敵わないよ。



< 352 / 463 >

この作品をシェア

pagetop