片想いだったね



「………………………。」



立ち止まる私と岬ッチ。

傘を持つ岬ッチは一言も話してくれない。



私への言葉が見つからないんだろうね。



そんなことないよ?なんて言葉望んでない。

でも、

別れようという言葉も望んでないんだよ。



「……ここで良い。」


傘は貸してあげる、明日必ずまっすに返してと岬ッチに言って離れようとする私。



「……ちゃんと送るから。」



岬ッチが私の腕を掴む。



どうして優しくするの?



このまま突き放してくれた方がよっぽど私辛くないよ?わかってよ。一緒にいる方が辛いんだよ。



泣いている顔を今更見ないで。


いつも見ていないクセに。












「違う人を見てるクセに、今更私を見ないでよっ!!」



耐えられない胸の叫びを、とうとう岬ッチにぶつけてしまう。











< 409 / 463 >

この作品をシェア

pagetop