片想いだったね
「………………………。」
立ち止まる私と岬ッチ。
傘を持つ岬ッチは一言も話してくれない。
私への言葉が見つからないんだろうね。
そんなことないよ?なんて言葉望んでない。
でも、
別れようという言葉も望んでないんだよ。
「……ここで良い。」
傘は貸してあげる、明日必ずまっすに返してと岬ッチに言って離れようとする私。
「……ちゃんと送るから。」
岬ッチが私の腕を掴む。
どうして優しくするの?
このまま突き放してくれた方がよっぽど私辛くないよ?わかってよ。一緒にいる方が辛いんだよ。
泣いている顔を今更見ないで。
いつも見ていないクセに。
「違う人を見てるクセに、今更私を見ないでよっ!!」
耐えられない胸の叫びを、とうとう岬ッチにぶつけてしまう。