片想いだったね
コンクールの曲が決まった。
【丘の上のレイラ】
部室で顧問にCDを流してもらい皆黙ってその曲を聴いている。
「綺麗なメロディだね。」
「後半は盛り上がる曲だね。」
木管楽器が多い、一.二年生は苦笑いを浮かべていたが、繊細な音色と曲の難易度に自然とヤル気がみなぎっていた。
「練習は三ヶ月もないね。」
「当たり前に足りないけど、その分倍練習しよう。」
それぞれ顧問から楽譜を貰い、各自早速練習に取り組む。
「このメロディ、微妙な切なさが良いですね。」
後輩が頑張りますと言って楽譜をチェックしていた。
私も思ったよ。
微妙に感じる切ないフレーズが、あの雨の日を思い出させる。