片想いだったね
「コンクール終わったらさ、まっすに告ってみるよ。うっち~には悪いけどね。」
「え?」
「だから、美紀も頑張れよ。色々な。」
私に買ってくれたハズのジュースを翼が音を立てて全部飲み干してしまう。
私の差し入れ、結局翼に取られてるじゃん。
ま、良いか。翼の顔が私の差し入れだよ。
私はトロンボーンを構えてまた練習に戻る。翼は楽器の事なんてわからないハズなのに、その場所からずっと私の音色を聴いてくれていた。
何故かさっきよりも音色がなめらかに吹ける。
翼に良いところ見せられたかな。