片想いだったね



私が突っ立ってる自転車の後ろが、ちょうど岬ッチの自転車だったらしく、どうやら私が邪魔で鍵を開けられなかったみたい。




「あぁぁっごめん、ごめんごめんごめん。」


「…………。」



慌ててその場を避けて、岬ッチが本当に目の前くらい近くに通りすぎる。



岬ッチが鍵を開けて、自転車をガチャンと出す。



まっすが口をパクパクしている。



(バイバイって言え!!)



あ、そうだ!そうだね!!


まだ心臓バクバクしながらも私はまた、勇気を振り絞って声を出す。



「……バイバイ。」



岬ッチが私をチラッと目線だけ見て、










「バイバイ。」


小さな声で返事してくれた。


私に言ってくれたんだよね?そうだよね?


 
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