片想いだったね
「高木ーっ!!まっすー!また明日なぁぁっ!!!」
しゅうちゃんが私達に遠くから片手で自転車をこぎながら手を振ってくれる。
「バイバーイっ!!!」
私は、岬ッチに聞こえるようにめちゃくちゃ大きな声でバイバイを言った。
岬ッチは振り向いてくれなかったけど、きっと聞こえたと思う。
多分、てか絶対。
「やったじゃん美紀。」
まっすが私に超満面の笑顔で言ってくれて、私も嬉しくて思わずまっすに抱きつく。
「やったぁぁぁぁぁ!!」
初めての会話。
日が落ち始めているオレンジの夕方の空。
一番星も見えていた。
夜が近い涼しい風の匂い、
私はこの日を忘れない。