記憶 ―砂漠の花―


「…あぁ、どういう手を使ったんだか不明だが、気が付けば王家に出入りしていてな…。」

「彼を信頼するあまり彼の過去など誰も気に止めなかったんだが…」

なぜ、そんな事を聞くのか、と不思議そうに二人は交互に答えた。



「そいつ、多分…。昔、シオンにいたよ。話を聞いた事がある。」

「……え?」


「カルラ叔母様がらみとなれば、やっぱり黒幕の可能性は高いかもね!」



話の急展開に、
誰もが一拍休止する。


混濁する情報が、
一つの線に繋がり始めていた。



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