記憶 ―砂漠の花―
12・封印 と 解除
12・封印 と 解除



今後サイル島に行くとなると、ラルファでは禁止されているとはいえ、

『封印』と『解除』

を私も扱えた方が良いと考えた。
敵の本拠地に入るのだから必要だろう。


先生に教えを乞うべく、帰りを待つものの叔父様との話が長引いているのか、なかなか帰る気配はない。


そのまま、居間で各々薄い布をかぶっての雑魚寝。

タビとじゃれたり、先生とキースの昔話などして時間が過ぎるのを待っていたが、睡魔が襲ってくる。

瞬間移動の効かない地下道を、朝から夕方過ぎまで休み休みとはいえ、結構な距離を歩いたわけだから私の体力を考えれば当然。

私の横では、やはり大冒険を終えたタビが、小さな体をさらに小さく丸めて寝息をたてる。
知らず知らずの内に、私の意識も遠のいていた。


だめ…。
自然と瞼が落ちてくる…






………
……

『………。』
『……。』

……
『………』


ふと意識が、声をとらえて戻される。


あ…、私どれくらい寝ていたのだろう。

まだアズとキースの二人が寝ずに会話している事から、意識をなくしてからさほど時間が経っていないのだろうと何となく予測する。

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