記憶 ―砂漠の花―


「次、誰ー?」
「あーっあたし~?」


私は、マイクを片手に日頃のストレスを発散。
大したストレスもないくせに…


今日はカラオケ。

昨日はバイト。
明日は地元のお祭り。

明後日は…、
……何だっけ?


大好きな友達と遊んでいる楽しい夏休みなはずなのに…、

なんか、つまらない。


「なんか物足んないねー」
「刺激ほしいー」
「退屈ー」

「海行こっかー」
「水着着たくないよぉー」
「だよねー」


「明日って浴衣着る?」
「えーでも浴衣暑くないー?」
「マジ温暖化こぇーよぉ~」


「え?10分前!?」
「延長するー?」
「もぉオールでしょ。」
「「いーねぇ~!」」



心の中にぽっかり空いた穴を埋める為に、きっと遊ぶ。
私は、はしゃぐ。

無理に、
バカになろうとするんです。


誰かがいないと嫌。
何が、私をこんなにまで寂しくさせるのか。


夢みる乙女なんかじゃない。
「現実」はそれなりに受け止めている。
妄想癖も、ないはずだけれど。

だけど、

どっぷりと、この灰色の世界に浸かっているからこそ、

一人になると、
ふと…、思う事がある。


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